それにしても、オカモリくんはえらいな。
ちゃんとブログで目いっぱい『阿片と拳銃』の宣伝してくれてるじゃないの。
偉ぇよ。
偉ぇなぁ、あんた。
劇団員でもないのになぁ。
なぁ?
夏休みの絵日記みたいなのばっか書いてる劇団員は、ちゃんと反省して、大いに見習うように。
そして、オカモリくんはえらいので、今度「永世名誉劇団員」にしてあげような。
ま、永世っつっても、劇団はあと二年で解散するわけだが。
それに「名誉劇団員」って自分でも意味わからんが。
ま、それはさておき、だ。
ちょっとネタばれなんだけど。
今回の芝居で初めの方に出てくる短歌がある。
こんな歌だ。
今ここに 死せる人あり その人の
愛でし白薔薇 庭に咲けども
どうすか?
どうすかって言われてもですか。
オレも無趣味で短歌や俳句のことはまったくわからないのだが、この歌はいい具合に少女趣味で、どうも、いい具合にいただけなかないですか?
この絶妙に残念な感じが、オレはとてもいいと思ってる。
実は、これはオレが作ったものではない。
遠い昔に、オレの母親が作ったものだ。
マルシー、牧野幸枝だ。
母は、若い頃にせっせと短歌を作ってたらしい。
それがある日、同世代人で寺山修司という名のすごい歌人が出現したので、「彼にはかなわない」と思って短歌をやめたのだそうだ。
なかなかアッパレな話だ。
余談だが、ある時その短歌サークルの同人誌の表紙の絵をオレの父親が描くことになり、それが縁で父と母は知り合ったのだそうだ。
ま、そんな余談中の余談はどうでもいいのだが、とにかく上記の歌は二十歳かそこらの頃の母が詠んだものである。
今回、無断借用した。
母親がこの芝居を観に来たら、いきなり腰を抜かすと思う。
「な、何してくれとんねん、おまえ!」って。
ま、関西弁ではないと思うが。
遠州弁だと何だ?
「やだやぁ、ほい!」とかか?
オレがこの歌を知ったのは、たぶん中三か高一くらいの頃だと思う。
本棚の片隅にあった古い薄っぺらな同人誌の中に見つけたのだが、何とも言えぬ気恥ずかしさとともに、なぜか妙にツボにはまってしまい、それで覚えてしまった。
今回、台本の執筆中にふっと頭に浮かび、それでそのまま借用したのだけど、これねぇ、作ろうったって、なかなかこの絶妙に残念なセンスでは作れませんぜ。
ねぇ?
だから、許してくれ、母よ。
あなたはとてつもなくこっ恥ずかしいかも知れないが、日本の演劇界に大きく貢献したと思って、大きな心でここはひとつ。
高知からカツオも送ったではないか。
そんな逸話にも彩られつつの『阿片と拳銃』、まもなく開幕っす。
正味の話、見逃すとすご~くもったいないと思う。
それくらいにはいい芝居です。
(ま、抜群ってほどの意味です)
作った本人が言ってますんで、間違いないっす。
てことで、ぜひ。