2~3日前かな。
フジテレビで昔の歌番組のハイライトみたいなんをやってて、そこで山口百恵が歌ってるの見て思い出したんだけどね。
「ロックンロール・ウィドウ」って歌あるじゃん。
たしか79年発売だと思う。
ギターのリフがロッド・スチュアートの歌ってた「スイート・リトル・ロックンロール」に似てる、基本3コードブルースの、なかなかにかっちょいいナンバーで、けっこう好きな曲だった。
でさ。
質問なんだけど、「ロックンロール・ウィドウ」ってどんな意味か知ってた?
オレはけっこう長いこと、「ロックンロールな未亡人」の歌だと思っていたぞ。
何だよ、ロックンロールな未亡人て。
樹木樹林か。
ちがうか。
だいたいYUYAさんて生きてんの見たばっかじゃんかよ。
ま、意味はようわからんのだが、何かさ、ロックの歌詞というのは多かれ少なかれそういうもんだと思ってたので、「未亡人」っていう、およそロックらしからぬ単語がハードな曲想にはかえって似合って、かっちょいいのだと思ってた。
ところがさ。
これ、「旦那がロックンロールに夢中で、自分には全然かまってもらえなくて不満な妻」という意味なのな。
ま、この曲の場合は実際に戸籍上の夫婦であるかはどうでもよくて、彼氏がロックンロールバカなのでイヤんなっちゃってる女の子くらいの意味なんだと思うけど。
あれ?
そうすっと樹木樹林まんざら外れてないか?
ま、ともかく。
オレがその事実を知ったのは、何とリリースされてから20年以上たった2002年のことだった。
朝ドラの「まんてん」を書いてた時期だね。
あの頃、毎日もぼと一緒に仕事のことやどうでもいいヨモヤマ話などしながら大阪城公園を歩いていたのだが、その時に聞いたのだ。
オラ、びっくりだ。
「おまえ、何でそんなこと知ってるだ?」と聞いたら、「だって、昔からベースボール・ウィドウって言葉があるじゃないすか。あれのモジリなんだと思ってましたけど」とか何とか、わりかしクールに答えやがんの。
う~む。
ベースボール・ウィドウってのも知らなかったけどな。
野球のシーズンが始まると旦那にかまってもらえなくなる奥さんが、自らの境遇を自嘲的にそう言うのだそうだ。
そう言われりゃ、いかにも言いそうな言い回しだ、アメリカ人どもが。
なるほどねえ。
で、その時、オレが何を思ったかというと、
おお、人間、長いこと生きてると、いろんな謎が解けるものであることよ!
ということだった。
だってさ、もし2002年以前に死んじゃってたら、オレは一生「ロックンロール・ウィドウ」の本当の意味を知らずに、それでいてその曲がかっちょいいと思いつつ死んじゃったってことじゃんか。
それはそれで仕方なかったかも知れないが、今となっては、やっぱりちゃんと本当の意味がわかって良かったと思っている。
そして、そういうことって、当然ながら、きっとまだまだいっぱいあるんだろうけどね。
よーく知ってるつもりでいても、それは誤解で、実は何もわかっちゃいなかったって案件が。
考えると、ちょっと気が遠くもなるが、ま、それはそれとして、結論としちゃ、
ま、長生きは、できるならば、してみるものよ。
ってことだわね。
ええ。
みんな、がんばろうぜ。
あ、ちなみにだよ。
不幸にして余命いくばくもないと確定してしまった人には、絶対に他人に口外しないという条件つきで、その人が知りたいと望む秘密は何でも教えなくてはいけないという法律ができないもんかね。
そしたら、オレはMr.マリックとか、あと何だっけな、すごい手品やる人がよくいるじゃん、ほれ、ガラスの水槽に腕を貫通させて魚とる人とかさ。
ああいう人に、ぜひタネ明かしをしてもらいたいんだよね。
あれ、どうやってるのか知らずに死ぬのは、何だかやりきれないよ。
宇宙の謎とまではいわんので。
頼むよ、ひとつ。
水槽の人よ。
その時はよろしくな。